
今従事している仕事、夜勤ありますか?
私は看護師をしている為、現在は月に数回夜勤があります。
デンマークの看護協会が看護師を対象に行った研究で、
日勤を常勤とする看護師と比べ、
夜勤(2交代制)をする看護師は
乳がんリスクが1.5~2.6倍高い
という研究結果が出ているそうです。
しかも夜勤の経験期間が長いほど高くなる傾向があります。
その他、厚生労働省の
「平成13年労働環境調査」によると
夜勤を始めて体調の変化を感じた人は36.1%、
医師からの診断が有ったものでは
胃潰瘍、高血圧症疾患、睡眠障害が多くなっています。
現に当院でも夜勤が外れたことで
血圧が下がって正常値になったという看護師がいます。
そんな命を削って行っている
夜勤に潜む、もう一つのワナ。
怒りのマネージメントがしにくくなるという事です。

昨夜の私の経験。
0:15からの深夜勤務。
自宅で仮眠をとって夜勤へ出るのですが、
今日は全く眠れない!
そんな中、夜勤を行うので、
時間が進むごとに頭は
ぼうっとしていきます。
夜勤中、眠れない患者様は当然います。
高齢者は、オムツの感触が嫌いで脱ぎ捨てる方がいます。
排尿した感覚が嫌で脱ぎ捨てる、
排尿してなくても脱ぎ捨てる。
着用しても着用しても、脱ぎ捨てる。
説明しても、その場では
「わかった。しないよ」
と返事をするも、
5分もしないうちに外し投げ捨てる。
こんな堂々巡りが続きます。
排尿後の不快感や
尿意のある場合がほとんどですから、
オムツ交換やトイレ誘導を行います。
今回対応した患者様は身体症状によって動けない。
先ほど排尿したばかり。
そんなやり取りの中、オムツを脱ぎ捨てた後に放尿。
全身の衣類、リネン類が尿で全て汚損。
アンガ―マネージメントを実践していると
患者様の「~べき」が分かっています。
オムツの感覚が嫌いなんだもんね。
と患者様を理解できていますので
「思考のコントロール」
まぁ、許せるゾーンは広げています。
あとは「行動のコントロール」で
自分の行動を振り分けます。
患者様の尿失禁は変えられない、
コントロール不可能。
変えられない事実を受け入れ、
今できる行動を探す。
オムツ交換を行う!
オムツ交換を行った後、
大抵の患者様は安心感から眠れることが多いです。
しかし今夜はその後、何度も脱ぎ捨てます。
こっそり布団の中で手を動かし、分からないように
そっと脱ぎ、ポイッと捨てるのです。
こちらも朝方となり、頭もぼうっとしており
思考もさほど働かない。
そんな中、今度は脱ぎ捨てた後に排便を・・・。
一度アンガ―マネージメント実践し、
先ほどもオムツ交換していますので
分かっていますよ。
衝動のコントロールは6秒。
私の場合
「諸行無常の響きあり
諸行無常の響きあり
ゴーン ゴーン ゴーン」
???
イライラが止まらない(# ゚Д゚)
言っても言っても繰り返す、
目の前の泥状便と臭い、
この後の行程を考える、
眠い、
休憩したい、
怒りの衝動が
6秒では治まらないのです。
そうです。
不眠が続いていると脳の機能は働きにくくなります。
前頭葉が働きにくくなっているのです。
夜勤明けの脳は、
ビール大瓶1本を飲酒した状態と同じような麻痺状態だからです。
こんな事、経験済み♡
そんな時私は
諸行無常の響きあり
諸行無常の響きありと心の中で唱え、
深く息を吸い、吐き出し、
反対を向いて(びっくりさせないように)
気を入れ替える為、
一度パンッと手をたたく(顔だったりします)。
以前紹介したコーピングマントラだけで対処できない時は、深呼吸とスイッチングの合わせ技!!!
イライラが全く無くなることはありませんが
衝動は抑えられます。

これまで、熊本県をはじめ、他県においても
施設や精神科病院にて、
暴力による刑事事件が多数ありました。
それは夜勤帯である事が多いようです。
夜勤の魔力。
睡眠不足であったり、一人で理性が働きにくかったりする事が
要因に挙げれられています。
アンガ―マネージメントを実践していれば、
重大事件を避けられたかもしれません。
是非、医療・介護従事者の方にこそ、
アンガ―マネージメントを実践して欲しい
そういう気持ちでこれから
普及活動に取り組みたい思います。